会社概要
1962年にジェフリー・ケント氏によってケニアで設立されたアバクロンビー&ケント社(以下A&K)は、米国、英国、豪州を拠点とするオーダーメイド商品を扱う高級旅行会社です。同社は「旅行業界のロールスロイス」と称され、ロレックスやグッチと並ぶ伝統的なブランドとしてラグジュアリー市場で高い知名度と評価を得ています。
A&Kは、1960年代に「昼は冒険、夜は安心と贅沢」をモットーに、ケニアでオーダーメイドのサファリツアーを開始して以来、世界各地で事業を展開してきました。同社は、冒険・豪華さ・贅沢さを組み合わせたユニークな旅行体験を提供し、旅行業界に革命を起こしました。
創設者のジェフリー・ケント氏は、現在も会社の共同会長を務めています。
同社の主要市場である米国、英国、豪州には3つの「セールス&マーケティング・オフィス」が設置され、南・東アフリカ、ヨーロッパ、アラブ、豪州、北アフリカ、南米、米国、東南アジア、スリランカなど50以上の拠点にあるDMCオフィスでは、インバウンド旅行の手配を行なっています。また、アフリカの15棟のサファリロッジや、エジプト、ミャンマー、中国にリバーボートを所有しています。
「日本」を売り込む方法
過去7年間で、日本はA&Kの最も人気のある渡航先のひとつに発展しました。
米国の売上比率が最も高く、次いで英国、豪州の順となっています。
米国では、主にグループシリーズのツアーが販売されています(約70%がグループ、約30%がオーダーメイドのFIT)。日本は、世界の複数の都市を周遊するプライベートジェットのツアーにも組み込まれていますが、これも米国での販売が中心となっています。英国と豪州では、主に富裕層の顧客を対象としたオーダーメイドの旅行手配を行なっており、売上の約85〜95%がFITとなっています。
各セールス&マーケティング・オフィスには「プロダクト・ディレクター」が常駐しています。主に米国で販売されているシリーズのグループツアーでは、このディレクターが旅程の内容を承認する重要な決定権を持っています。グループツアーの旅程に掲載されれば、確実に売り上げにつながるため、当然、日本の観光地や商品、宿泊施設を紹介してもらうための競争も激しくなります。
売上の大半がFITである英国と豪州では「アジア・トラベル・コンサルタント」と呼ばれる訪日専門の営業担当者が顧客のためにオーダーメイドの旅程を組むことができます。この訪日専門の担当者に新商品を紹介し、必要な教育とツールを提供することは、A&Kの顧客に対して特定の地域、観光地、宿泊施設を宣伝するための効果的な手法となります。
A&K(米国、英国、豪州)の旅行コンサルタントや営業担当者は、他の訪日専門の旅行会社と比べて日本に関する知識が少ないかもしれません。なぜなら、A&Kには「アジア専門」の担当者が在籍しており、中国や東南アジア、更にはインドについても知識を持っていることが期待されるからです。しかし、同社は細部にまで気を配り、最高水準のサービスと優れたオペレーションを追求しています。
一口に言うと、非常に期待が高く、要望も多い顧客からは得られる報酬が大きくなります。顧客の数は少なくなりますが、予約の価値ははるかに高くなり、皆が大きな利益を得ることができます。
A&Kは、同社の顧客を徹底的にサポートすることに専念している日本国内のDMCパートナー1社とほぼ独占的に提携しています。契約、提案、オペレーションのすべてにおいて彼らを頼りにしているため、このDMCパートナーと連携をとることがA&Kの顧客に近づく唯一の方法となっています。
統計
一般に公開されている取引および企業の記録に基づいています。ただし、訪日の業績については推定しています。
年間売上高:年間5億ドル以上
年間訪日数(推定):1500人以上
主な競合他社:(米国)Tauck、Butterfield&Robinson、National Geographic(英国) Brown&Hudson、Exsus Travel、Scott Dunn、Different Japan(豪州)Oasis Travel、Mary Rossi Travel
営業拠点:米国・イリノイ州、英国・チェルトナム、オーストラリア・メルボルン
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