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THE ULTRAS(ウルトラス・超富裕層)について

Updated: Jul 7, 2021

「裕福な生活を送るだけでなく、豊かに暮らす」ということに、彼らの焦点は当てられています。ラグジュアリーな旅とは、今や「モノ」よりも「コト」への集中を意味します。


自己実現の「超越的な」旅-「モノ」より「コト」の体験


新しい生き方、在り方、考え方に触れることで、旅行は「自己実現」(マズローの欲求階層説の上位レベル)の重要な部分と見なされます。これは、「モノ」の贅沢にふけることでは到達できない領域です。


ウルトラスは、彼らの興味やニーズに合わせてオーダーメイドで仕立てられ、精選された体験にお金をかけます。このような体験は、特別な洞察と本物の冒険により、一般には不可能な方法で目的地と交流することを可能にします。それらは希少な機会であり、作り物であってはいけません。既存の製品やサービスではなく、人々の時間(最も貴重なリソース)と労力を購入する1対1の体験です。


日本は体験型旅行の世界的リーダーになり得る


2019年に出版された「国家ブランドインデックスランキング」では、日本は「目的と体験」というカテゴリーにおいて「先進国」として評価されました。つまりは、日本は、西洋のウルトラスを引き付けることができる位置付けであると考えることができます。


西洋のウルトラスは、パンデミック後に、最も経済的な回復力があるグループになると考えられています。最初に海外旅行市場に戻ってくる、観光業の復興にとって非常に重要なグループとなるでしょう。


以下の情報は、ウルトラスを惹きつけるための、基本的な戦略と推奨事項のアウトラインです。あなたの地域やビジネスにあわせた、より詳細な戦略的アイデアが必要な場合は、JAPAN-SANチームに直接お問い合わせください。


プロフィール

  • 35歳から65歳

  • 既婚者、多くは家族旅行として参加

  • 15億円以上の流動資産

  • 主な居住地は欧州だが、世界中に別宅を所有している

  • 旅行に年間1500万円以上を費やす可能性が高い

推定市場規模:

  • 英国 5,000

  • アメリカ 50,000

  • フランス5,000

  • ドイツ7,500


ウルトラス(超富裕層)の旅とは


日本の場合、大半のウルトラスは夫婦または家族と一緒に旅行します。彼らの旅行に対する要件は以下の通りです。


日本のエキスパートによる旅のキュレーション(目利き):

うなるほどキャッシュはあるが、時間だけが無い」このグループは、旅行のために自分で調査する時間がありません。彼らは、旅行の内容について強い意見やこだわりを持っていますが、非常に信頼がおける「ラグジュアリー/デスティネーション・スペシャリスト旅行オーガナイザー」(旅行代理店、ツアーオペレーター、高級コンシェルジュサービスプロバイダー)に全てを委ねます。


彼らは専門性にリスペクトを持ち、「オーガナイザー」が提供する洞察、ガイド、細部への気配りにプレミアムを支払います。

そうは言っても、彼らは非常に要求が厳しく、ローカルサービスプロバイダーができる一般的な提供サービス以上の要求をしてくることもあります。


真のパーソナライズと柔軟性:

パーソナルなニーズだけに応え、個人のために創り上げた体験を見つけることを重視し、ウルトラスは彼ら自身のユニークな旅程を創り上げるために努めます。ウルトラスは白紙から着手し、パンフレット、カタログまたは料金表から買うことはありません。既製のものは何もありません。彼らは慎重さ、プライバシー保護、切れ目のないアレンジ、付加価値、トップクラスのサプライヤー、彼らの特定のニーズにあわせた、個人的な体験ができることに価値を置きます。このような彼らのニーズに応えることは、既定のルールを持つローカルのサービスプロバイダーにとっては大きな挑戦でもあります。


細部への気配り、プライベート&ファストトラック:

フライト、移動手段、宿泊施設については、多くの場合、広範なプランニングと組織化が必要となり、専門家による綿密な計画が求められます。彼らは、ストレスなく旅行をする必要があります。彼らのプライバシーに重きを置くウルトラスにとっては、他の旅行者との距離感を重視します。旅行のプロセスは、決して急がず、できることならば、自由時間を最大化するために通常ルートのショートカット(いわゆる、ファーストトラック)が必要になります。


安全かつ安心

日本は非常に安全な目的地として正しく認識されています。このグループは、彼らの旅行に対して、安全とセキュリティを重視しがちで、リスクや混乱を最小化したいと考えます。また彼らは、想定していなかった事態に備え、現地での十分なサポートを要求します。こういう状況こそ、彼らが、単に想定されるリスクや不便さを軽減するための策を計画するだけではなく、24時間年中無休で安全性確保のためにサポートしてくれる信頼できる旅行専門家と一緒に旅行計画をしたいと思う理由です。



旅行の好み


本物、他にはないモノ、そしてフレンドリーさ:

このグループはとにかく「本物の」旅行経験を切望しており、彼らの好み、興味、嗜好を前もって認知したサービスプロバイダーとともに個人として(他の旅行者と同様にということではなく、ひとりの人間として)迎え入れられたいと思っています。彼らはプライバシー、行動の自由、独占感に価値を置くので、同行者が周囲にいないことを好みます。彼らの富の消費は目立ないように行われ、また、彼らはへりくだったサービスを好みません。その代わり、フレンドリーで、個人的な関係(プロとしての範囲内における)を望んでいます。



豪華または特徴の多い宿泊施設:

ウルトラスは、都市部にいる際には、豪華な宿泊施設を最低の要求として期待しています。また、海外出張の時の経験からも、国際的に有名なホテルブランドに精通しており、多くの場合は、彼らは自分の好みを持っています。郊外にいる時には、彼らは地方ならではの、親密で、客は少なく、日本特有の何かがある宿泊施設を望みます。さらに重要なのは、彼らは共同スペースを持たない宿泊施設を好みます。そして、日本はこのようなゲストにとって完璧な商品価値を持ちます。それは高級旅館です。本場であればあるほど、より良いということです。歴史的、文化的または家族的な独特な要素を持つものが彼らを魅了します。


豊かな体験:

最も重要なのは、ウルトラスが、ユニークで期待を超える親密で豊かな経験を楽しみたいということです。

ミシュランの星を獲得し、カウンター席が8つしかない小さな寿司レストランのような最上級への特権的なアクセスを望んでいます。プライベートガイドは「東京・京都・大阪の名所」を巡るだけではありません。代わりに、何が好きで、何が嫌いか、趣味、興味を学び、毎日要件に合わせて調整し、多くの場合、メジャーな観光地ではない「穴場」へ行き、彼らの興味に地域の特性をマッチさせます。よく知られている場所が含まれている場合、別の形で行われます。例えば、広島ツアーでも単に平和公園を訪問するだけでなく、当時の状況や戦後の物語を語ることができる生存者または地元の歴史家とのプログラムを組み合わせていきます。


このグループへのマーケティング


たくさんの商品やサービスが、ウルトラスをターゲットにしています。金融商品サービス、不動産、車やヨットはこの層とのビジネスの機会を探っています。他の多くの旅行の行き先も同様です。この層は、世界中のどこへでも旅をすることが可能です。多くは彼らが頻繁に訪れる場所になりますが、しばしばより良い天候を享受するために太陽を追うことさえします。世界中の他の場所では見つけることができなかった経験を楽しめるということで、日本を訪れる決断をします。我々のウルトラスは、幅広い旅程の中に含まれる幾つかの特定の要求のために、日本への訪問を切望します。ここにこそ、地域・サービスプロバイダーが、超富裕層の彼らが、日本での経験に参加しなければならない魅力的な選択肢を示す機会になりうるということができます。直接的な広告を通じて彼らにアクセスしたくなりますが、その一方で、さらに効果的なオプションとして(到達可能性とコストの観点)、慎重に選択した超富裕層を顧客に持つエージェントやツアーオペレーターとパートナー関係を持つことが考えられます。プレミアムなツアーオペレーターや豊富な旅行実績を持つ豪華なコンシェルジュサービスがこれら旅行者の大多数を取り扱うことになるでしょう。


そのため、彼ら(エージェント、ツアーオペレーター)がみなさんの地域、体験、サービス、アトラクションを販売するために必要な知識やマインドを持つために、何ができるのかを考えることが重要です。


トラベルトレード(旅行業界)の連結性

必要なパートナーシップの確保には時間を要しますが、商品決定に影響を及ぼす主なエージェントや、良いセンスを持つ旅行業のスペシャリストとは、地方レベルで関係性を構築するべきです。このような旅行業界に対する一般的な支援モデルとは、

・地域/商品/サービスを展示し、認知させ、そして教育を与えること

・ターゲット顧客層に、はっきりとした独自性を示すこと

・プロダクト開発のための支援、伴走をすること

・ロジスティック情報やイメージ情報/販売リソースを提供すること

・共同出資でマーケティングキャンペーンを運営すること

超富裕層に対しては、提供される旅行の経験がこのグループの厳しい要求水準を満たすことが不可欠となってきます。



柔軟性

海外の旅行業界からは、日本は、旅行者が求める要求に対して非常に柔軟性を欠く国として認知されています。JAPAN-SANが、日本をメインに扱う旅行会社と仕事をすることが重要であると考える理由はここにあります。顧客の旅行開始前に彼らを教育することが可能であり、日本流の運営方法を尊重することを彼らに求めることも可能です。日本にとって持続可能な方法で観光業を運営することは、必要不可欠であると考えています。しかしながら、このニッチなグループに対しては、融通のきくアプローチを示していくことが、ランドオペレーター(DMCs)、宿泊施設そしてローカル・サービスプロバイダーにとって確実な機会となり、投資リターンにもなり得ます。


保証とVIPアクセス

旅行における全ての要素に対する品質を確保することは重要です。宿泊施設、経験、そして移動手段が高品質であることを確認しましょう。多くの旅行者はホテルに入る際に個人的なアクセスとイベントやアトラクションに対してもVIP専用の入口を要求されます。



オフラインまたは独自性の高い経験プログラムの開発

他にはない特別な経験を通じて得る魅了は、たとえばOTAを介した、オンラインでのプログラムとなった途端失われます。たとえ、経験プログラム自体が高品質で、プレミアム価格が表示されていたとしても、事前にパッケージ化され、一般公開されたていては、もはや選択対象にはなり得ません。各地域は超富裕層に体験プログラムを提供できるローカルサプライヤーを支援する必要がありますが、見せ方や配信方法については細心の注意を払うことが必要です。特定のDMCやツアーオペレーターにとって、実施可能な広報戦略を確実にしつつ、本物かつそれ専用の経験を提供することこそが、その経験プログラムの独自性を維持する効率的なやり方といえます。これもまた、競争相手と差別化することが可能になるので、DMCやツアーオペレーターにとっても多くの利益が得られることになります。


この旅行者グループへのマーケティング戦略の詳細については、JAPAN-SANセールスディレクターの庄司英生までご連絡ください。

hideo.shoji@japan-san.net

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